洗礼者ヨハネ レオナルド・ダ・ヴィンチ

十枚十色(解説&エッセイ)

『洗礼者ヨハネ』
レオナルド・ダ・ヴィンチ作
制作:1513~16
所蔵:ルーヴル美術館



「西洋美術史は、レオナルドに始まり
レオナルドに終わる」


と言っても過言ではない……



と、わたくし個人的には思います。





レオナルドの代表作といえば
「モナリザ」がなんといっても有名ですが
このページでは、別作品をご紹介していきます。



「モナリザ」「聖母子と聖アンナ」と
ともに、

画家が最期のときまで
手元においた最晩年期の作品です。



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「洗礼者ヨハネ」は、
「新約聖書」に登場する人物です。



聖母マリアの従姉妹の息子で
イエスより、半年ほど早く生まれました。



宗教家としても、
イエスより先に活動していて

イエスに洗礼を施したので、
「洗礼者ヨハネ」と呼ばれます。





西洋の絵画全般において

洗礼者ヨハネは
幼少時代も、大人になってからも、

さらには、亡くなったあとにも
各場面でよく絵に描かれます。





正確にカウントできるわけでは
ありませんが、

キリスト教絵画での登場頻度としては、

イエス、聖母マリアの次くらいに
頻繁に見かける感じがします。






半裸で、毛皮をまとい
(ラクダの皮とされています)


葦(アシ)で出来た
長い十字架を持っている男の子、

あるいは成人男性が出てきたら


「洗礼者ヨハネ」と覚えておくと
良いと思います。





大人の場面で描かれる場合には

砂漠で宗教活動をする人物の
イメージを伝えるため、


痩せた身体、厳しい顔つきで
表現されるパターンが多いのですが、



レオナルドの本作品では、

定番的な「洗礼者ヨハネ」らしさが
あまり感じられません。



身体は、ほど良くふっくらとして
目つきは挑発的、

口元には、はっきりとした笑みが
浮かんでいます。



※レオナルドが可愛がっていた
美しい弟子(サライ)が
モデルになっていると考えられています。






暗い背景にうっすらと見える
長い十字架と、

身につけている衣服の特徴が
目印となって、

洗礼者ヨハネであることが
辛うじて判別できるという感じです。




闇の中から、
人物が浮かびあがるような表現も

ルネサンス期の絵画としては
だいぶ変わっています。




※前回のメールご紹介した
ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」と
比較すると

「明瞭さの違い」を感じて
いただけるのではないかと思います。





全体として、例外づくし。



注文主に関する情報が
残っていないのも

この時代においては異例です。



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