小椅子の聖母 ラファエロ

十枚十色(解説&エッセイ)

『小椅子の聖母』
ラファエロ・サンティ作
制作:1514頃
所蔵:パラティーナ美術館




ラファエロは、

「レオナルド・ダ・ヴィンチ」
「ミケランジェロ」(彫刻家)とともに

盛期ルネサンスの三大巨匠とされます。



3人とも、後世へ与えた影響は絶大。



というより、

のちのちまで深い爪跡を残したからこそ
「巨匠」と称されるのでしょう。



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ラファエロは
たくさんの聖母子像を描いたので

別名「聖母子の画家」とも
呼ばれます。



※「聖母子」とは、
若き聖母マリアと赤子のイエスの
組み合わせ限定です

大人になったイエスと
ご年配になったマリア様の絵は
聖母子とは言いません





聖母子の絵画をあまりに
たくさん残したので

ラファエロの聖母子像には、

区別を容易にするために
別称が与えられています。



今日の作品は、
椅子に座っているので「小椅子の聖母」です。



このほか

・『大公の聖母』

・『美しき女庭師』

・『鶸(ヒワ)の聖母』

・『牧場の聖母』


などなど、



特徴を示すフレーズがついた

「なになにの聖母」の絵画が
よく知られています。






なかでも、人気があるのが
今日の一枚です。


円の中にきれいにおさまる
巧みな人物の構成は、

見た目の印象以上にテクニカル。


円形画(トンド)といって
もともと円の形で描かれています。




ラファエロの描く聖書の人物は

リアリティのある美人や、
美形の赤子であることが多いのですが


ラファエロ自身も、外見が美しく
さらに性格も良かったそうです。




ラファエロと一緒に仕事をした人は

みんな、彼のことが大好きになったと
伝わっています。





画家の人物像までが
透けて見えてくるかのように

分かりやすい美しさと

圧倒的な華やかさを
兼ね備えた絵画です。


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抱っこされているイエスの後ろに
洗礼者ヨハネが見えます。

肩のところに見える十字架が目印。



この記事で取り上げた
レオナルド作品の
青年時代の洗礼者ヨハネと同一人物です。


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